宮崎の(旦那さんの)おばあちゃんの手作り味噌が切れてしまいそうなので、
オペラ地区の日本食スーパーに買いに行った。
いかにも安そうなパッケージの味噌は、2ユーロ台からあった。
原料に「大豆 (遺伝子組み換えでない)」と書かれただけのもの。
あとは「国産」や「無添加」とでかでかと目立つように書いてあるものばかりあったけど、
それで じゃあ!って買っていく人はいっぱいいると思う。
「国産」というだけの表記のものは、大豆の栽培に農薬も使うし、添加物も入ってる。
「無添加」と表記してるものは、農薬は使われてる。
私は結局、500gで6ユーロの、有機JASマークのついた「有機・国産・無添加」味噌を買った。
ちょっと高いけど、カフェでケーキを1個食べなかったら どれだけ味噌汁が作れるか、と思って。笑
それがきっかけで、遺伝子組み換えのことが気になって いろいろ調べてみました。
日本の大豆の自給率は、たったの4%で、96%を輸入に頼ってるようですが、
その輸入大豆の7割はアメリカからの輸入。その8割は遺伝子組み換え大豆だそうです。
ただ、醤油、大豆油など表示義務のない食品には「遺伝子組み換え」との表示なしで、
遺伝子組み換え原料が混じった「不分別」の原料を使用しているそうです。
表示不要のものは、大豆(醤油、大豆油)、トウモロコシ(スナック菓子、コーンフレーク、コーン油)、
なたね(菜種油)、綿(綿実油)、ビールなどの酒類。
JAS法では、遺伝子組み換え作物(意図しない場合で)原材料の5%以下の混入であれば
「遺伝子組み換え不使用」と真意表示できると書いてあります。
ちなみにヨーロッパでは すべての食品や飼料、さらに添加物までを対象に、
遺伝子組み換えの表示基準を0.9%以下としていて、日本の5%と比べるとかなり厳しくなってます。
「遺伝子組み換えでない」という表示は、義務づけられたものではなく、
よく売れるために、メーカーが任意でつけているそうで、
上にも説明した醤油などの食品には、「遺伝子組み換えでない」と書かれたものでも、
5%以下は遺伝子組み換えされた大豆を使用してる可能性があるのです。
そして、日本政府は承認がない遺伝子組み換え作物の輸入を厳しく禁じている一方で、
76種類の遺伝子組み換え食品および47種類の飼料を認可しています。
日本の家畜の餌のほとんどが遺伝子組み換えだそうです。そのお肉を私たちが食べています。
日本人の約70〜80%が不安を抱いてるのに関わらず、日本は遺伝子組み換えの世界最大輸入消費国なのです。
フランスのBioスーパーで売ってるオーガニックの豆乳、醤油、豆腐。
遺伝子組み換えは一般的には安全、と言われていますが、
まず アレルギー誘発物質になる可能性が高いということや、
予測不可能な有害物質を引き起こしたり、栄養素に変化を起こす可能性もあります。
人体への影響は、奇形児や障害児が生まれやすくなる危険性もあるそうです。
すでに日本のある企業が遺伝子組み換えをした細菌を使って製品化した健康食品で、
アメリカを中心に約6000人の被害者、38人の死亡者が出る事故や、
イギリスで 遺伝子組み換えのじゃがいもを食べさせたラットの発育不全や免疫力の低下が
公表され、ロシアでは 遺伝子組み換え大豆を食べたさせたラットの子供の
約半分が死亡したという結果が出されています。
たった15年程の浅い歴史しかない遺伝子組み換え食品の安全性の試験を、
私たちの体で実験していると言ってもおかしくないと思います。
古代から、自然に 植物や動物の遺伝子の交配などの品種改良が繰り返され、
現在 お店で並ぶ多くの種類の野菜や果物が存在してることは理解してます。
でも、人工的に化学物質を使って、隔離ほ場で作られ、人体や生態系、環境への悪影響をもたらし、
たくさんの被害者を出してまで行なう遺伝子組み換え技術は やっぱりおかしい。
現在 栽培されてる、除草剤を撒いても枯れない農作物、害虫をよせつけない農作物、
日持ちのよい農作物、色変わりの花(日本でも昨年から栽培が始まりました)、
将来開発される可能性があるものに、にんじんなどの野菜の栄養を持ったお米とか、
ビタミンやミネラル、蛋白質などの栄養をより含んだ作物、食べるワクチンを含む作物、
など例が挙がっていますが...気持ちわるい。
せっかくバランスよく、彩りよく 考えている毎日のメニューも、
野菜独自の個性も、マクロビオティックの陰と陽の関係も、
伝統的な農業や 地産地消も郷土料理も なーんにもなくなってしまうのでしょうね。
人間だってなんだって、完璧なものはなにもないのに。
お互い欠けてる部分を考えてバランスよく、愛情込めて調理して 健康的な食事ってできると思う。
でも、遺伝子組み換えされた食品は、栄養はあったとしても、
それ自体にもう 生命力も愛もエネルギーも 何もなくなっちゃってるような気がします。
そんなの食べ続けて育った子供の心は どうなっちゃうんだろう...
今までに地球上で存在しなかった遺伝子操作された植物、動物、微生物が、
人工的な生命として 自然界にこれからどんどん増殖することはとても恐ろしいこと。
人体への影響はもちろん、在来種への遺伝子の汚染、生態系のバランスの崩れなどの危険性がたくさんあります。
それらを体内に入れ続けたら、今はよくても、世代を経ることによって、どうなってしまうのでしょうか。
私たちの子孫を奇形児だらけにはしたくありません。
放射能も昔は無害と言われていましたが、その結果は もうみんなが知ってる。
薬や添加物の問題も同じですが、食べてすぐに おかしいぞって出してしまえる分かりやすい不自然なものよりも、
小さな小さなものほど じわじわと 体に そして遺伝子に影響を与えていくと思います。
遺伝子組み換えの利点は、「地球上の飢餓や食糧危機を救う」と言われていますが、
それなら以前にも書いた家畜の飼料が減らしていけばいいと思う。
人間が肉を粗末にするほど消費しているから、その分の肥料用穀物が必要になり、飢餓が起きています。
遺伝子組み換えで、食べ物がもっと増えていったら、
食べ物に対する感謝や有り難さが もっともっと薄れていくし、もっと粗末にする人が増える。
どんどん人間らしさから離れた人間になっていってしまうような気がします。
今回は、遺伝子組み換えのことを個人的に消費者の立場で、食べる側の意見で書きましたが、
遺伝子組み換え問題には それ以上にさまざまな環境問題、社会問題などがあります。
遺伝子組み換え作物がこれほどまで増大してきた本当の目的は、開発企業の売り上げを上げるためのようです。
企業が開発した作物の品種や遺伝子の「特許」の販売によって、農家から収益を得るためなのです。
興味のある方は、下の動画をご覧ください。
動画
● NHK BS世界のドキュメンタリー「アグリビジネスの巨人"モンサント"の世界戦略」
原題 : The World According to Monsanto
制作 : ARTE(フランス)2008年
→「アグリビジネスの巨人"モンサント"の世界戦略 前編」(48分31秒)
→「アグリビジネスの巨人"モンサント"の世界戦略 後編」(48分31秒)
→「アグリビジネスの巨人"モンサント"の世界戦略 紹介 」(10分55秒)
● サンデープロジェクト
→「穀物輸出大国アメリカ 翻弄される日本」(10分44分)
長くなってしまったので、別ブログに綴ろうと思ったのですが、
強く伝えたいことなので、こちらに書くことにしました。
別ブログ"les devoirs"でも 環境問題、社会問題の続きを書いてます。