今の私に興味があること、というか知っておかなければいけない今の日本の農業の現状、
食品の生産過程に、とても衝撃を受けました。
美しい写真と優しい文章が、分かりやすく大地の畑へ案内してくれます。
この本は、「大地を守る会」という、有機農業による野菜・肉・加工食品宅配サービスの本なので、
その野菜や食品のつくられる過程が書かれていて、実際に手に取ってみないと分からないですが、
日本に住んでいたら 私もこのシステムを利用したいと思いました。
” 大地を守る会が発足したのは1975年ですが、きっかけは「複合汚染」(有吉佐和子著)という小説を読んだことでした。
この小説には、当時の日本の農業が大量に農薬や化学肥料を使用していたこと、その結果、収穫量は増えたけれど畑や田んぼには
ミミズもドジョウもいなくなり、ホタルを見ることもできなくなったことなどが書かれていました。農薬の使い過ぎで、
微生物や小動物が次々と死んでいたのですね。微生物や小動物に起きていることは、いずれ人間の世界にも起こる。
なんとかしなければという思いで、大地を守る会を始めました。
33年間やってきて、あらためて「共存」や「共生」という言葉の重みを感じています。
有機農業は、微生物やミミズとも共存しようというところから始まりました。
人間だけのエゴを押しつけず、消費者や生産者という自分だけの立場を押しつけず、
多様性を認め合う社会を作っていけば、きっとやさしさに満ちた平和な社会になるでしょう。”
(大地を守る会 会長 藤田和芳さんの ”あとがき” より)
” 食品ではない食品を食べている現代社会 ”...
その理由は、食のプロセスを見えなくして誰かに委託してしまったことの裏返し。
食品の問題が絶えない現代ですが、それは結局、つくられたプロセスが見えないまま、
パッケージとして世の中に出回ってしまうからです。
食への信頼感を取り戻すためには、消費者が安全への対価を支払って、
食のプロセスを見えるものにすること。
私たちが、安くて・簡単・いつでも・もっと、を望む限り、なくならない問題だと思います。
食品は、私たちの生命をつないでくれるもの。
食品の選び方こそが、環境、エコ、温暖化などの、地球の未来を大きく左右しています。
体にとっても、環境にとっても、動物にとっても、地球規模で おいしいこと、嬉しいことを
私もずっと心がけていきたいです。