ずっと見たかったドキュメンタリー映画、ジャン=ポール・ジョー監督の"未来の食卓"。
Biocoopでフランス語版のDVDは売られていたのですが、
日本語でしっかり見たかったので、日本での発売を待って予約して買いました。
このドキュメンタリーは、フランス南部のガール県のバルジャックという村の小学校の給食を、
すべてオーガニックにするという試みを1年間追ったもの。
最初に大人たちに意見を聞くのではなく、まず子供たちの「食」の意識を目覚めさせ、
自然の恵みの味を知り、自分たちの手で有機野菜を育てていくうちに、子供たちの気持ちが
大人たちの、そして村全体の意識を変えていくという流れを描いています。
大好きなシーン。「オーガニックとは?」と尋ねられた子供が無邪気に答える、「自然のまま!」
そして、映画に出てくる女性たちのこんなささいな会話のやり取りが、一番心に残りました。
私がオーガニック食に変えてから、まったく同じことを日々思っていたから。
「物を買わなくなったわ。必要な物だけ買うの。ひとつの成果よ。
前は冷蔵庫が満杯だったけど、今はカラ。大事なのは温かい食事よ。
今の方が効率よく買ってる。罪悪感が減ったわ。それに、自分を守ってるわ。」
「前は食べるのと買い物の繰り返し。商品が迫ってくるみたい。
いらない物が多すぎるのよ。今の世の中は食べ過ぎだから、少し減らしても害はないわ。」
フランス版のポスターにはドクロがついてる。日本のとイメージが違っておもしろい。
映画の冒頭で、ユネスコ・パリ本部の会議でガンの研究者が語る、
「人類の活動が"病"を引き起こす。その筆頭が化学汚染でしょう。子供たちが危ない。」
ある雑誌のインタビューで監督が、
「私たちは農薬だらけの野菜や果物を子供たちに食べさせることで、
1日3回、毒を与えていることになります。」
「自然を尊重し、自然と調和をとって生活さえすれば、
自然はたくさんのものを惜しまず与えてくれると思います。」と、話していました。
監督自身も、過去にガンを患ったことがきっかけで 食に対する意識が変わったそうです。
私自身も 自分や家族が病気になったことなどから、オーガニック食や 肉の暴食を考え直しました。
農薬や化学物質が人体に及ぼす影響の恐ろしさは、それまでも少なからず知識はありましたが、
やはり自分自身の身の危険を感じない限り、行動に移すのは難しかった気がします。
まわりの人たちも そういった環境の中でで気づく人が 一番多いと思います。
そして、農薬を散布することで、人間はもちろん、地球上の微生物や虫、動物、
すべての生態系が壊れ始めています。生態系とは、エコロジーのことです。
流行や美容を気遣ってだけではなく、自分だけのことではなくて、
もっと長い目で 地球の土、水、植物、生物、そして人間も含め、
自然環境のすべてを見つめていかなきゃといけないと思います。
一緒に見た旦那さんは、昔よりはぐんと減ったけど、たまに好きで買ってしまう加工食品など、
もう買わないようにする。と、こぼしていました。
私も たまには買ってしまったり、冷蔵庫にあるのが嫌で、見て見ぬフリしてたけど、
これをきっかけに、二人で考える時間が持てて、今まで以上に意識する、とてもいい機会になりました。
最後に、アインシュタインの言葉。
「ハチが消えたら、人類は4年後に滅亡する」
別ブログ "Les devoirs"に、続きを書いています。