パリの初雪。数年ぶりの大雪。
降り始めた日の夜、夫がお土産に持って帰ってきた雪のボールを、
娘は目をキラキラさせながら、大事に大事に左手に持って、
ずーっと持って、たらたら水が垂れるのを不思議そうに見たり、
そのままぎゅっと握ったまま、窓の外の雪景色を見たり、
歌ったり、踊ったり、本を読んだり...
手が真っ赤になっても、はなさずに、
洋服が濡れていくのに戸惑いながら、
どんどん小さくなっていく雪のかたまりを
まるで小鳥を見守るように、ドキドキしながら観察してた。
ふと手のひらを広げると、濡れてるだけで、なにもなかった。
目を丸くさせて、真っ赤っかに冷たくなった手のひらを何度も見て、
ゆきは?ゆきは?と不思議がる。
「どうして、おみずになっちゃったの?」
子供の素朴な質問に、なんだかとてもきゅんとした。
翌朝、窓の外のいつもの景色が
一面真っ白の世界になってるのを見て、
ざくざくと雪を踏みながら、朝一番で公園に遊びに行った。
はじめていっしょにつくった雪だるまは、うさちゃん。
保育園で覚えたのかフランス語で、
「ぼのーむ!(Bonhomme de neige / 雪だるま)」って私を驚かせた。