2011/06/29

37℃








娘がハイハイをするようになってから、初めて、芝生の上で遊んだ。
ひんやり冷たい緑の上で、もさもさの草を手で掴んでプチっと引っこ抜いて、
じっと見つめてから、お花の咲いてるほうへ這っていったり。
まあるい葉っぱたちを下から覗き込んだり。
気がついたらお膝が土でまっくろけ。

遊び疲れたので、ベビーカーに乗って噴水を見ていたら寝てしまい、
私はベンチに腰掛けて読書をしてると、
白の水玉ワンピースを来たおばあちゃんが隣に座った。

「べべ、かわいいね、お母さんはどこ?」と聞かれ、
「私の娘です」と言うと、不思議そうな顔をして、ずっと娘の寝顔を見てた。
むにゃむにゃ起きそうになると、
「哺乳瓶持ってきてないの?」と聞かれて、
「母乳なので...」と答えると、
「じゃあ、お母さんはどこ?」と返ってくる。
「私が母です」と言うと、そんなアホなという顔で、
「おうちから哺乳瓶持ってらっしゃい。
 おむつかもしれないから、お母さんを呼んでらっしゃい」と言う。

私も白の水玉タンクトップを着てた。
娘も薄ピンクの水玉だった。
はたから見たら不思議な光景。
フランス人のおばあちゃんと、日本人の姉妹に間違われた親子。
私そんなに母親らしくないかな...

暑ーい日のへんてこな昼下がり。

2011/06/28

音楽の魔法


先日、久石譲さんのチャリティーコンサートに行ってきました。
パリで、まさか、あの曲たちを、オーケストラの生演奏で、聴けると思わなかった。
本当〜に、素晴らしかった...

開演ギリギリに到着して、やはりのんきなフランス人がぞろぞろ集まる中、
日本式に開演時間きっかりにコンサートはスタート。
まだみんな席に着いてないのに早すぎない?と思ったけど、ここはパリコレじゃない。
階段で順番を待ってる間に、とうとうナウシカの曲が流れ始めた。
よく知ってる。懐かしい音。本能的に涙が出てきた。
私が小さい頃から、よく聴いた曲。
小さいテレビでベータのビデオで見てた、ちょっぴり怖かった、映画の曲。
母の車のカセットテープから流れてた曲。
友達同士でスカートを肩から羽織ってマントにして、
「ユパさま!」とふざけて遊んでた頃の、幼い私が、どんどん蘇って来た。
数十年後に、パリで、まさか聴けるなんて。

もののけ姫や千と千尋、北野武監督の映画の曲など盛りだくさんの演奏。
そして私が一番好きな、ハウルの動く城の「人生のメリーゴーラウンド」。
一人で3回も映画館に観に行ったハウル。妊娠中も何度も繰り返し聴いてた曲。
何度聴いても、心をぎゅうっと掴まれて、苦しくなる音色。

そしてアンコールに流れた、もののけ姫の最後の曲...
画のラストシーンの、荒れ果てた大地に緑がぶわぁ〜っと広がっていく、あのシーンと共に。
私は、東日本大震災のあと、何度も何度もこのシーンを想像して、日本を祈った。
今回の震災も、この映画と重なる部分が多すぎて、だからきっとラストシーンも同じになると信じてる。
みんながそれを願ってひとつになった気がした。感動した。
震災の被災地の映像も流れた。

久石さんのピアノ演奏は、ひとつの鍵盤を叩く数秒の中に、ものすごい物語を秘めてる。
こんなに感動したコンサートって、今までになかった。
ピアノと指揮を行ったり来たりしてこなす姿も素晴らしかった。
フランス人のオーケストラで、フランス人の合唱団なのに、
久石さんの指揮は、魔法のステッキのように、一振りで国境を越えた彼の音楽の世界になってた。
英語で歌われるトトロも、ポニョも、ナウシカも、すごくよかった。
世界がひとつになった気がした。

久しぶりに聴いたオーケストラだったせいか、
音楽の波動って、心の底からぶるぶる何かを振るわせて、言葉では現せない強い振動が起こってた。
会場中が、みんな笑顔で、みんな愛でいっぱいになっていた。
温かい愛の波動でふわり包まれて、被災地に、世界中に、この魔法が伝わっていきますように。

2011/06/24

Nanashi

私が産後バタバタ生活をしている間に、パリにまたおいしいお店ができていました。
一歩遅れてやっと行った北マレ店はすでに2号店。
元Rose Bakeryでシェフを務めてた方が始めた、パリ初オーガニックヘルシー和食屋さん。
お店が広いので、ベビーカーの子供連れでも大丈夫!

末に豆腐ハンバーガーのBENTOブランチを。
アボガドソースが挟んであって、超好み。大満足。

小腹がすいたときは、このおにぎり!
ドライトマトやサーモンが入ってて、ものすごくおいしかった〜

Nanashi
● 57 rue Charlot 75003 Paris / 01 44 61 45 49
 火・水・日曜11:00〜18:00 木〜土曜11:00〜24:00
● 31 rue de Paradis 75010 Paris / 01 40 22 15 55
 火〜土曜11:00〜24:00 日・月曜11:00〜18:00

2011/06/20

Playtime LOVES JAPAN


東日本大震災への支援団体「Hope and Love for Japan」が
7月2〜4日に子供服の展示会「Playtimeにて、子供雑誌MilK
Labo Love Japanの共同企画、キッズファッションのチャリティーセールを行います。
この収益は、東日本大震災に被災した子供たちに役立ててもらうための団体と、
お母さんの母乳の放射能汚染問題に取り組んでいる団体に寄付されます。

今回もtremplapinがイメージイラストを描かせていただきました。
当日は、Hope and Love for Japanとのコラボぬりえやエコノートなども販売する予定です。

Playtime LOVES JAPAN
7月2〜4日 9:00〜18:30
Pavillon des Chênes
"Parc Floral de Paris"
métro : Chaâteu de vincennes

♥ Playtime LOVES JAPANでは、ボランティアスタッフの募集をしています。
 7月1日〜4日までの間で、当日の会場スタッフ他、値札付けや搬入搬出など
 国籍・男女・年齢は問いませんので、興味のある方はHope and Love Blogをご覧ください。

先日、パリでも反原発デモが行われ、5000人もの人々が参列したそうです。
まだまだ、そしてますます深刻化する原発問題。
被災地の方々の未来、日本の産業経済、食糧問題...
私たちにできる役割をどんどん見つけて、
遠い国でもひとつになって日本に向けて祈りたいと思います。

2011/06/19

初夏の恵み

以前ご紹介した、パリ郊外のBioのお野菜宅配便"Le Panier d'Alexandre"。
私のブログを見て日本人のお客さまが増えたらしく、とっても喜んでいました!
先日届いた袋の中には、初夏の野菜と果物がたっぷり入っていて、
どれもこれも本当に瑞々しくておいしくて、ほっぺが落ちてしまった。
特にこのごつごつトマト!15cmはある大きさで、半分に切ったらハート形!
お塩のみで、がぶりおいしくいただきました。まるでフルーツ!
大地の甘み。太陽の味。元気いっぱい。ありがとう。








2011/06/18

大冒険


娘の響花(おとは)がこの世に誕生して、半年が経ちました。
この子をお腹に授かってから、一日もそれが「あたりまえ」だと思う日はありません。
毎瞬毎瞬が「奇跡」だと感じ、いまだに娘と過ごすこの生活が信じられないこともあります。

6ヶ月を迎える直前に、なんと数ヶ月早くハイハイ(ずりばいとの間?)ができるようになり、
興味があるものにすぐ手が届くようになって、娘は毎日ごきげん。
今まで視界にあった、ちょっと遠くのいろんなものに向かって這っていって、
触ってみたり、掴んでみたり、口に入れてみたり。
1m進むのがやっとできた日から数日後には、部屋中行き来できるようになり、
娘にとって、きっと産道を通ってこの世界にやってきたときと同じくらいの大冒険!
部屋が狭いので、キッチンに入ってきたり、洗濯物や布おむつをくしゃくしゃにしたり、
絨毯からフローリングに移動して、ツルツルでお腹がひんやりする感覚を楽しんだり...
夢中になって発見、冒険を繰り返す姿を見て、愛おしい日々は過ぎていきます。

そして離乳食も予定より早く始めました。
今は重湯やお粥を少しずつ。あとリンゴが大好物。
果汁をあげたり、そのままかけらを手に持たせて吸い付いたり。
そろそろ歯が生えるらしく、私たちと同じ食卓で、木のスプーンを一生懸命噛んでいます。

ますます目が離せない毎日ですが、

その目覚ましい成長を書き留めておきたいと思い、tremplapin bébéを再開することにしました。

私の妊娠中のブログを読んで、ご相談や、産院を紹介して欲しいなどのご連絡をくださった方が

少なからずいらっしゃいましたので、何かの参考になればと思い、続けることにしました。

偏った考えだったり、矛盾があったりるるとは思いますが、

これからもBébéと呼ばれる間は、毎月ですが記録していこうと思います。

最初の数ヶ月の成長は、がんばって思い出しながら書きましたが、

そう、出産時のこともそうですが、子育てを振り返ってみると、

ほんの数ヶ月前のことなのに、思い出せない!旦那さんもそう言います。

子供と向き合っていると、本当に「今」がすべて。

「今」しか見つめる時間もなくて、なによりも「今」が大切だということに気づかされます。

2011/06/15

Tangent Magazine

オーストラリアのネット上ファッション雑誌「Tangent Magazine Issue7」に、
エージェントA&Aのメンバーの描きおろしイラストが掲載されています。

今回のテーマが"Uncensored Glamour"だと聞いて、何週間も悩みました。笑
だって私の描くイラストと一番かけ離れた世界のテーマ...
うーん。でもこれも勉強!
私なりに、大好きなDisney BambiのMissBunnyちゃんを登場させて。
難しかったけど、"私っぽい"殻を破り、表現の世界が広がった、とても意味のあるお仕事でした。
だけどヒョウ柄なんて、初めて描いた〜。笑

2011/06/10

yoga


産後、あんまり自分の体をいたわってあげる時間がなく、
気づいたら、肩こり、腰痛、頭痛で体のあちこちがカチカチ...
春が来た頃から、朝起きるのがつらくて、娘を長時間抱っこするのもできなくなっていました。
お産の時の助産婦さんがオステオパスなので、施術してもらったら、
内臓が完璧にブロックされているらしく、「ゆい、お腹で呼吸してないでしょ!」と言われちゃった。
産前は、毎晩ヨガもして、お腹の底から深〜い呼吸をしてリラックスしてたのに、
ここ半年はまるで胸から上だけで浅い呼吸しかしてなかったよう。
妊娠中も身軽な体と心を維持してくれたのは、ヨガのおかげでした。
吐く息はゆっくりと全部出し切って、お腹で深い深い呼吸を心がけ、
久しぶりにミナコちゃんのヨガ教室にも行き始めました。

もうすぐ生後6ヶ月の娘をシッターさんに初めて預けて、
ほんの少しの時間、自分の体と心をしっかり見つめて癒してあげる。
久しぶりにゆっくりたっぷり呼吸法。太陽礼拝。
何度も何度もやっても、物足りないくらい、
お腹の底から体内の空気を入れ替えて、体の節々を伸ばして、
疲れてしまったいろんな細胞に、エネルギーが流れていくのを感じました。
翌日は、なんて気持ちのよい筋肉痛!
そして、全身で大きな呼吸をして、リラーーーックス...
そしたらやっぱり。体が軽くなって、朝起きるのが苦でなくなった。

そういえば、産後、子育てに追われる日々の中で「一番なにがしたい?」と聞かれた時は、
即座に「ヨガ!とヘルシーランチ!」でした。
やっぱり私が健康を保ってく生活の中で、なくてはならないのが、質のいい食事とヨガのよう。

2011/06/06

おじいちゃん ありがとう


おじいちゃんが新しい世界に旅立ちました。
家族と並んで送り出すことはできなかったけど、
前より、うんと、近くにいる。
肉体だけがすべてじゃないと思った。すぐ隣にいる。

父が送ってくれた写真を見て、
初めて泣けた。
綺麗だった。
真っ白な、天使みたい。
よかったね...と、こぼれた。
おじいちゃん、おつかれさま。おめでとう!
思ったより、不思議と悲しくない。
だってこれは、おじいちゃんの物語。
おじいちゃんは役目をしっかり終わらせた。
今、胸いっぱいに愛で溢れそうな気持ち、ずっと大切にしていく。

もの静かで、不器用で、気難しかった祖父。
おととし、自転車に乗って、数十年ぶりに祖父と二人で祖母のお墓参りに行った。
お墓の前で、二人でしゃがみこんで、
私が小さかった頃の話を、つい最近のことのように語ってくれた。
あんなに嬉しそうな祖父の表情も、数十年ぶりに見て、心に残った。
今頃は、おばあちゃんと久々の再会をして、やっぱり照れくさいのかな。

京都へ行ったお土産のお守りを渡した時の「ありがとう」。
聞いたとき、なぜだか涙が出そうになった。
二人だけの小さな思い出。
思い出して、その時のページを何度も何度もめくってみた。

「俺が死んでも帰ってくるなよ」といつか言ってた。
それをねじ曲げて、娘を連れて帰ろうとしたけど、
結局、おじいちゃんは望まなかったみたい。
ここにいても、おじいちゃんの一番近くにいるからね。

娘が生まれて家族が増えて、
また一人家族が減っていく。
それでも、おじいちゃんのかけらはしっかり受け継がれてく。
いつかのプラタナスを思い出した。

おじいちゃん、ありがとう。いってらっしゃい。

生まれたばかりの私を抱く祖父の写真。
ちょうど今の娘と同じくらい。

2011/06/01

スプラウト

出産してから、子育てに気を取られて、なかなかできなかったスプラウト栽培。
食べたいときは買ってたけど、やっぱり育てるのが楽しいから、久しぶりに再開!
愛を注いでお世話して、成長する姿に元気もらって、
お互いにエネルギーを交換して、おいしくいただく。
しかし一粒の小さな種がこんな立派な葉をつける過程って、本当に不思議。
人間も同じ。生命力ってすごい。