2012/12/30

ぬのおむつ


娘を出産してから、約2年間、共に暮らしてきた布おむつ。
私も夫も、赤ちゃんの頃は、布おむつで母の手の温もりを感じて育った。
私もできるだけ古風な子育てがしたいと、
粉ミルクも、哺乳瓶も、おしゃぶりも買わずに娘を育ててきました。

先日、年末のお片づけと共に、使わなくなった布おむつを、
全部きれいに高温で洗って殺菌し、たんすの中へ眠らせました。
娘といっしょに、ありがとう。と、一枚一枚たたんで。

17ヶ月の卒乳後すぐ、突然、自らおむつを嫌がって脱ぎ捨て、
自然とトイレでできるようになっていった娘。
私が手伝うのを嫌がって、全部自分で脱いで、履けるようにもなった。
18ヶ月で、おうちの中では完全におむつは外れて、お昼寝時も漏らさず、
最近は、外出先でもちゃんと「トイレいく」と言えるようになった。
まだ自分でコントロールできない夜間と長時間の外出時のみ、
布おむつではもう漏れてしまう量なので、まだおむつにお世話になってるけど、
一時期、紙おむつを「ちくちくする~」と嫌がって、布おむつをせがむことがあった。
紙おむつの肌触りが不満らしく、布おむつを自分から履きたいと持ってきてた。
結局、布おむつで外出して、漏れてしまい気持ち悪そうにしていたけど、
やっぱり布と紙との肌への感触の違いが分かってるよう。
なにより嬉しいこと。
今まで布おむつでがんばってきて、よかったと思った。
おむつ外れが早かったのも、布おむつのおかげなのかもしれない。

生後半年の時の旅行を機に、紙おむつも少しずつ使うようになり、
成長とともに量が多くなるので、布でのおむつ漏れに疲れてしまい、睡眠不足にもなるので、
私も娘もストレスを溜めない生活を優先し、夜間と外出時のみ使うようになった。
最初は抵抗があったけど、やっぱり吸収性がよくて、
布おむつの何枚分ももってくれるので、お互い、夜はぐっすり眠れるようになった。

娘がいつも愛用してるのはオーガニックスーパーで売ってる、土に還る素材でできたもの。
50%以上が生分解性の素材、40%がリサイクル素材、無塩素漂白でラテックス・香料フリー。)
市販の石油系の紙おむつの成分は、環境ホルモンやダイオキシンの影響の心配もあるし、
なんと、土に分解されるまでに約500年もかかるそう。
想像を遥かに超えた量の、環境に悪いゴミがでる...
値段は少しだけ高いけど、娘の肌と、地球のために。

面倒くさがりの私でも、布おむつを使うことは、苦ではなく、安心できて好きだった。
おむつ替えの時も、うんちのとき以外は布で拭く。
おむつは汚れたら浸け置きして、お風呂場で水洗いしてから洗濯機へ。
12時間置きに取り替えないと漏れるので、紙おむつの数倍の頻度で交換するけど、
それでも面倒だと思ったことは一度もなかった。
これが私のお仕事だと思ってたから。

日頃の玄米菜食生活のおかげで、下痢になったことも、
便秘になったこともないので、おむつ替えもとてもスムーズ。
おむつかぶれになったときは、よく煮出した三年番茶で洗うと、
赤みがひいて、きゅっと締まって、すぐ治る。

布おむつを使うお母さんは、子供のうんちを汚く思わないと言うけど、本当にそう。
母乳の時は、もちろん母乳だけだし、体の中に入るものも全て母親が選んで与えたもの。
それを体を通過して出てくるだけであって、汚いものでもなんでもない。
娘がうんちを見て、よく「ごはんみたい」と言うので笑う。
離乳食が始まる6ヶ月くらいまでは、常にゆるゆるの軟便だったので、
毎日多くて10回くらい軟便のついたおむつを手洗いしてた。
紙おむつなら、丸めてポイの行為。

今でも毎日、排泄物は必ずチェック。
食べ物が消化できてるか、水分は足りてるか。ちゃんと浮いてるか。
状態を見て食事も変える。
うんちは健康のバロメーターと言うけど、まさにそう。

娘にとって布おむつは、生活の中であたり前のことで、
朝、お風呂場でじゃぶじゃぶ水洗いしてると、同じように洗う真似をしてた。
そして洗濯後は、洗濯機からズルズルと出してきて、パンパンと叩いて、
一緒になっておむつを干す。乾いたらまたそれをお尻にあてる。
ぬいぐるみにあてて遊んだりもしてた。
そんなふうに私と娘の大切なコミュニケーションのひとつにもなってた。
今となっては懐かしく込みあげる素敵な思い出。

紙おむつのように、自分の排泄物を丸ごと捨てるのではなくて、
汚れたら、ありがとうって想いを込めて手で洗って清める。
そんなことを感じてくれていたらいいなと想う。
ものを大切にするということ。
それが分かると、便利な紙おむつが、どれだけありがたいかということにも繋がる。
現代に溢れる「安くて便利」なもの、
娘のため、環境のためを想うと使いたくない気持ちはあるけど、
忙しい日々の中で布おむつ交換に追われるストレス、
そして断固として使わないと誓うストレスもどこかにあった。
だから、私たちの笑顔のために、便利なものの力も借りる。
そしてそれは、できる限り地球にやさしいものを選ぶ。
そんな選択の中で「大切なこと」伝えていきたい。

手元の本にこうあった。
『地球上を見ても、トイレという決められた場所で、
 自発的に排泄をしている動物は、ヒトだけです。
 赤ちゃんにおむつをさせたのは「部屋を汚されたくない」と思った大人の勝手。
 また、「排泄は決まった場所でしなければならない」という文化的、社会的な
 規制をつくったのも大人です。赤ちゃんが望んだわけではありません。』
  
食べることと同じに大切な排泄。
出産してから、自分たちが「動物」だということを感じることがとにかく多い。
もしいつかまた新しい命を授かることになったら、
おむつなし育児もやってみたいなと、ひそかに想う今日このごろ。

長い間、ありがとう。大好きな布おむつたち。
出産前に、オーガニックコットンの布おむつを贈ってくれたCちゃんに心から感謝。
2年間、ありがとう。また会う日まで。

2 件のコメント:

  1. Yuiさん

    明けましておめでとうございます。

    こんなに使い込んでくださって、布おむつも本望です。
    ありがとうございます!

    排泄は、本当に大切なこと。
    身体を通過して出てくるもの。
    通り道である身体を慈しむことでもあります。

    久しぶりにええ話聞きました~

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    1. チカちゃん
      おめでとう。昨年もいっぱいありがとう!
      布おむつたちは、へとへとになるまで愛されて、
      やっと箪笥の中に眠っていったよ..

      こちらでは日光に干すこともできないので、カビとか心配だったけど、
      汚れることなく綺麗なままでいられて、よかった。
      おとはが布おむつを干したり畳んだり、遊んだりする光景がすごく好きでした。
      いーっぱい思い出が詰まったおむつたち、またいつか会うことがあれば楽しみです。
      本当に本当に、素敵な時間をありがとう!

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