12年前の今日、パリに憧れ、ひとり、スーツケースひとつ持って、
雪が降る街に、ぽつんと降り立った一人の少女。
どこに行くにも、四六時中、父からもらった一眼レフを首からぶらさげて。
茶色い髪に、たくさんのピアス、ポーターのバッグにタバコとフィルムを数個。
自分で決めて、たった一人でやってきた、映画でしか見たことのなかった街。
見るものすべてが新鮮で、パリの路地を歩くたび、人と出逢うたび、
シャッターを押して、日常の断片を切り取っていました。
当時は写真展などもしてたけど、数年経ち、絵を描くようになって、昨年、柿本ケンサクさん×半野喜弘さんが監督をされた、パリが舞台の映画「UGLY」。
窪塚洋介さんのお相手役の桃生亜希子さんが撮影したという設定で、
私が撮った愛しいその写真たちを使っていただく機会がありました。
半野さんから連絡をいただいたとき、
「パリに来たばかりの、写真家を目指してる女の子が撮ったような写真を探してる」と言われ、
長年封印していた、昔の自分のかけらを掘り起こすことに、なんだか突然ワクワクしました。
当時その写真を撮っていた頃、パリで友人たちと窪塚さんの出演するドラマを
レンタルしては(Youtubeもパソコンすらなかった)楽しみに観ていたのを思い出し、
あのときの、どうしようもなく、手探りで、ヨチヨチ歩きの19歳の私が、
子育てを楽しむ今の私の前に現れて、なんだか不思議な気持ちになりました。
今も生きててくれた写真たち、何度見ても、私は変わらず好き。だから嬉しかった。
私の原点。出発点。そこから12年、とことこと歩いてきた。
まだ映画は観ていないので、どのように使っていただいたのか、
映画を見ているだけでは気づかない程の小道具の一部かもしれませんが、
素敵な機会に感謝しています。ありがとうございました。
私にとっては、ステキなタイムカプセルになりました。
クレジットにも載せていただいているようです。
映画「AGLY」公式HP → http://ugly.theatre-tokyo.com/
はじめて拝見させせていただいました。
返信削除はじめまして!
20年ほど前、同じように茶色の髪で、エンジニアブーツを履いて、タバコを持って、一人でパリに着いた時の事を思い出しました。
胸の奥の方で、きゅんと音が鳴ったような・・・
何とも言えない懐かしい感情がわきあがりました。
素敵なお話、ありがとうございます^^
mori-no-taneさま
返信削除こちらこそコメントをありがとうございます。はじめまして!
20年前にパリに住んでいらっしゃったのですか?
なんだか情景が重なっておもしろいですね。
今はそうやって、好奇心でフラッとパリにくる若い人たちは減っていると思います。
(ビザの)法律も厳しくなって、なんかあのゆるーい時代が懐かしいです。